「かながわの魅力伝え隊」第3回は、川崎市川崎区で和菓子を販売する東照さんへお伺いしました。
お相手してくれたのは、東照の岩瀬会長さんです。
百年以上続く理由
地元の方に愛され、信頼されることが一番だと考えています。
終戦後、原材料高騰により仕入れることができず、お菓子を作ることができない時期もありました。
その中で原材料を必死にかき集め、お菓子を作ることができたときには、お客様が殺到し大行列となりました。
甘いものに飢えていたあの時代、和菓子を食べて体力回復、故郷に帰るときのお土産として重宝されたことから、ここまで続いたと思っています。
地域に根差した商品づくり
この辺りは、東海道川崎宿の面影が今もなお残っています。
東海道川崎宿をテーマとした「川崎・砂子の里資料館」(現在閉館)、川崎宿の歴史・文化を伝える「東海道かわさき宿交流館」が並んでいます。
交流館が出来たことをきっかけに、歴史ある場所にお店があること、当時の人はどんな食事をしていたのかなど考えるようになりました。
川崎の歴史を伝える商品として、東海道川崎宿の万年屋によって提供されていた「奈良茶飯」の当時のレシピを活かし、現代風にアレンジしました。

江戸時代に外食文化の先駆けとして愛されていたと言われている「奈良茶飯」は、十返舎一九の東海道中膝栗毛にて紹介されるなどたいへん好評を得た名物として伝えられています。
東照の奈良茶飯は、うるち米ともち米に甘露栗、炒った大豆、あわや小豆を加え、お茶の風味でおこわに仕上げました。
この「奈良茶飯」を通じて、川崎の地域交流を深めるとともに、賑わいのある町づくりに貢献できればと思っています。

こんな歴史があったんですね。残念ながら、奈良茶飯は店舗限定の販売です。(ごめんなさい…)
実際お店に来て奈良茶飯を食べながら、東海道川崎宿の歴史を感じて下さいね!
和菓子を広めていきたい
「若い世代の人にも食べてもらえる和菓子づくりを目指していきたい」と話す、岩瀬会長。
“洋菓子風だけど実は和菓子”、“コーヒーに合う和菓子”といったように、幅広い世代の人に和菓子に興味をもってもらったり、食べてもらえるような和菓子づくりを目指していきたいです。
日本独特の繊細な和菓子文化は、次の世代へと伝えていかなければと思っています。
岩瀬会長の和菓子に対する思いの深さを感じることが出来ました。
岩瀬会長、お店のスタッフの皆さん、お忙しいところありがとうございました。